寒さの底
近くの商店街にいつも、朝採りの野菜や手作りのお漬物を運んできてくれる農家のおばあちゃんがいます。
何もかもがおいしいから、とりあえずそこをのぞいてから他の八百屋さんを回るのがいつもの手順。
福岡も冷え込みが続いたから、寒さに気をつけるように声をかけたら…
おばあちゃんは、いとも簡単に、
「大根の仕込みをしたから冷えてもらわないとね、いい漬物にならんから」と言った。
大根を仕込まないと漬物はできない。
その時にやらねばならないことをおろそかにすると、次がない。
「運気もそう、そうじゃない!」と改めて思う。
やるべき時にやらないと、上昇気流が訪れても何の意味もなくなる。
仕込んでいない大根が漬物にならない。と嘆くことになる。
どう動けばいいのか、待つべき時、学ぶ時、遊ぶ時。
一環として、今をとらえる大切さを学べるささやかな会話に感謝。
漬物の出来上がりを待つ時間が、愛おしく楽しくなってきます。
眞野 智和